俺に刻まれた 2014/01/10__00:00

＊一切読み返さずに書いたので何か間違ってたらごめんなさい…。大変短いです。

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「なにもなかった」って。全部が濁音になってるみたいな、やっと捻り出したような声で。

　馬鹿だろお前。
　お前がそう言ったら、俺は、お前にあっさりやられちまった、野暮で情けない俺は、「なにもなかった」事にするしかねェと、思ってるんだろ。
　そうは問屋が卸さねェっての。
　この一件は、俺に刻まれた。俺が死ぬまで、ずっと、俺の中にある。
「なにもなかった」事になんて、出来っこねェ。
　お前が、背中の傷は剣士の恥だとか言って袈裟懸けに吹き出させた血とか、二度と負けねェとか言って溢れ出させた涙とか、そういうのと一緒に。
　俺に刻まれて、一生、消えてくれない。

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20140105,0107