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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*スリラーバーク出航後から離散までの間に

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 肌を合わせたのは、ただの一度きりだ。

 死んでもおかしくなかった。俺は死ぬつもりだった。しかし奴は死ななかった。回復も、驚異的。

 回復した奴の、俺を見る目が、それ以前とは違うものに変わった。

 水指す様な真似したから、怒ってんのかな。
 馬鹿言え、俺の方が怒ってる。恥かかせやがって。一人で、全部一人で背負って——死のうとしやがって。

 深夜のキッチンで後片付けをしていると、奴が来た。
「なんだ、酒か?」
 奴は何も言わず近付いて来る。
「チョッパーに止められてんだろ、言う事聞いてやれよたまには」
 何も言わずに奴は、俺に凭れ掛かった。
「おい?」
 焦った。傷が開いたか、未だ回復が充分でなかったか。
 チョッパーを呼ばねば、と思った時、体がぎゅうと締め付けられた。
 奴の腕だ。死にかけとは思えない力強さ。

「俺は、死にかけた」
「…ああ、知ってるよ」
「でも生きてる」
「おう、良かったな」
「一つ、分かった事がある」
「うん?」
「欲しいもんがあって、手に入れるチャンスがあるんなら、すぐに掴まなきゃ、ダメだ」

「サンジ」
 え。
 この声で、自分の名前を聞くのは初めてだ。
「欲しい」
 え。
「寄越せ」
「なに、言って…?」
 思わず見た奴の顔は、冗談の欠片も無く真剣で、切実で、——男だった。

 チョッパーに止められようが何だろうが俺は酒が欲しいんだ、とか。
 そんな冗談は、出てきようも無い。
 今奴ががっちり掴んで離さないのは、俺。初めて口にしただろう、名前を呼んで。

 口付けられて、服を展げられて。
 触られて、握られて、解されて、入れられて。
 揺さぶられて、出されて。
 全てが慌ただしかった。
 生き急ぐみたいな、情交。

 ただの一度きり。

 名前を呼ばれたのも、射精したのも、腕の中で眠ったのも。

 ただの、一度。

 気付いた時には離散して、二年。離散したまま己を高める、地獄の日々。

 ただ一度の情交を胸底に押し抱いて。



20131111

*勢いで書きました。
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