『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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そろそろ深夜の時間帯。チャイムが鳴った。ドアスコープを覗くとコンビニ袋を提げたゾロが立っていた。
「どうしたよ、こんな時間に」
ドアを開けて部屋に上げてやる。そうしてやる義理は無いが、そうしてやらない理由も無かった。
「失恋した。かも知れねぇ。付き合え」
ゾロはコンビニ袋をがさがさと漁り、缶を二本取り出しながら言った。
「かも、って、何」
「はっきりとはしてねぇ、って意味だ。まあ飲め」
プルトップを引いた桃色の缶チューハイを押し付けられた。
俺、甘いのより辛めの方が好きなんだけど。まあいいけどさ。
口を付けると桃の香りが鼻に抜けた。
ゾロは缶ビールを空けている。速い。水飲むより速いな、それ。失恋がそんなにショックかよ。何だよ失恋って、失う様な恋してたのかよ、お前。聞いてねぇぞ。
ゾロが二本目の缶ビールを開けて、ぷしゅ、と音をさせたのを見ながら、甘い桃味の薄いアルコールを舐める。かもでも何でも、失恋なんて一大事に俺んとこに来るんなら。
「なんか食うか?」
腰を上げかけると、「いや、要らねぇ」と言ってゾロは、俺の腕を掴んだ。
「それより、はっきりさせてくれ」
何を?
と訊くべき言葉が出て来ずに、すとんと元居た場所に腰が落ちる。
「俺は失恋するのか?あ?したのか。それとも、そうじゃないのか?」
だから、何を言ってるんだよ。それじゃまるで。
「お前の恋って、俺、なの?」
「何言ってんだお前」
そりゃ俺の科白だ。
目を剥いた俺に、ゾロは天を仰いだ。
「やっぱり気付いてなかったのか」
やっぱり、って。
「そうじゃねーかとは思ってたけどよ。お前、自分の事はからっきしだし。俺もあんまり上手くねぇしな」
俺が何だって? お前が何だって? そんな事より、何より。
「お前、俺の事が好きなの?」
「好きじゃなきゃ、説明つかねぇ事ばっかだろ」
わざわざ喧嘩吹っかけたり、わざわざ家まで押し掛けたり、わざわざ手料理食わせろって言ったり、わざわざ、お前の事、見たり。
そんなの、わざわざって言わねぇよ。
そんな、普通の友情程度で、何を察しろって言うんだ。上手くないにも程がある。
「何で失恋したと思ったんだよ」
「そりゃ、お前が女好きだからだろ。俺は男だし、普通に考えりゃ、成就しねぇ」
「それを分かってて、何でまた」
「完全に失恋とも思えなかったからな。はっきりしねぇのは、すっきりしねぇ」
「なんだよ、それ」
「お前の態度は、思わせぶりなんだよ。俺をいちいち自惚れさせんだ」
自惚れてたのかよ。俺の態度で、お前、嬉しくなったりしちゃってた訳?
それで、でもあいつは女好きだし、なんて思って落ち込んじゃったりしてた訳?
「自惚れてりゃー良ィのに。わざわざはっきり失恋したいなんてな?」
「じゃあ、…やっぱり失恋か」
不貞腐れた顔で、二本目の缶ビールを飲み干す。
馬鹿なんだなぁ、お前。自惚れてりゃ良いんだよ、お前みたいな馬鹿は。それで、あってるんだから。
わざわざ喧嘩吹っかけたり、わざわざ家に呼んだり、わざわざ手料理食べさせたり、わざわざ、お前の事、見たり。
説明つかねぇ事ばっか、だろ?
「お前は失恋なんてしてないし、暫くしねえと思うぜ?そりゃ、お前次第だけど」
ゾロはにやりと笑って、俺にずいと近付いた。
「俺次第、なんだな?」
「お前の恋だろ」
「お前の恋は?」
「俺次第」
俺もにやりと笑って、ゾロにずいと顔を寄せた。
「甘いな」
触れた唇を舐めて、ゾロが言った。
「桃だろ。お前が飲ませたんじゃねえか」
「違ぇ。お前が、甘い」
お前の方が全然甘いよ。断然。言葉も態度も、全部。
こんなのだったら、辛いより甘くて構わない。
20130516,0602,0604
*大学生かなー。大学入って知り合って、共通の友人なんかが居て、徐々に親しくなって、二人で居ても気まずくなくなって、女にメロメロするサンジを見て胸が痛んだゾロが自覚して行動を起こした、と。そこら辺を丁寧に書けば長い話になるのに…。
*サンゾロ臭もせん事も無い。(ごめんどっちでもいい)
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