気遣い 2013/01/31__00:00

＊696話のネタバレ含みます

＊ウソナミ

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　例えば一人で海を眺めているとする。
　そんな時、声を掛けてくれるのは、いつも決まってウソップだ。
　天候や潮流を読んでいる、つまり私が航海士の仕事をしている時には、そうしない。
　必要ない、寧ろ邪魔だ、と知っているみたいに。
　けれど。不必要な物思いに沈みかけた時は、遠慮無く浮き上げてくれる。
　それはいつも決まって、ウソップだ。


　女海兵さんの、必死な表情を思い出していた。
　子供達を預けてくれ、と。
　ベルメールさんも、あんな必死な顔で私たちを預かる決意をしてくれたのかな。
　私は赤ちゃんだったから何にも覚えてないけど。ノジコは覚えてるかな。今度会ったら聞いてみようか。
　あの女海兵さん、ベルメールさんに重ねられたって知ったら、気を悪くするかしら。まだ若そうだし。…ううん、きっと気にしない。まっすぐな瞳の人だ。
　任せられる。大丈夫。
　海賊の私たちより、ずっと安全に、ずっと安心してもらえる。
　そうよ、ウチにはルフィも居るし、無事に送り届けるなんて無理な話だ。
　大丈夫。女海兵さんに任せたら大丈夫。


「海軍との話はついたのか？」
　タンカー補修を手伝っていた筈なのに。
　的確に、私の想いを掬う。どうして分かるのかな。

「そういやお前の母ちゃん海兵だったな」
　覚えててくれたんだ。私の大切なルーツ。

　そんな事が嬉しくて、素直に同意された事もなんだか照れくさい。
　つい、怒鳴ってごまかした。

　それにしっかり怒鳴り返して、きっちり浮き上げてくれるのは、いつでも決まってウソップだ。

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20130130

　あ、ウソップは「お前の母ちゃん」って言うな、じゃあノジコの事は「お前の姉ちゃん」では？と思って本物で探したら、言ってた。なので、1月27日付『名誉の負傷』、直しました。