『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「ゾロ!」
販売店の扉を開くと、所長の娘が叫んだ。
それを聞きつけたのか、奥から所長が出て来て言った。
「ゾロ、わざわざ来てもらって悪いね」
「やだお父さん、来る事知ってたの?」
「言ってなかったかい?」
「言ってないわよ、いっつもそうなんだから!」
この父娘は相変わらずだ。
「ご迷惑おかけしてすみませんでした」
頭を下げる。
「うちとしても、ゾロが居なくなるのは痛手なんだが、こればっかりはね。お母さんは、大事にするんだよ?」
「はい。ありがとうございます」
所長の物腰は柔らかいが、所長の言う事は、聞かねばならない様な気にさせられる。不思議な人だ。
所長が道場に置きっぱなしにしていた竹刀を渡してくれた。
「剣道は、続けるんでしょう?」
「はい。先輩が道場をやっていますので、そちらでお世話になる事になりました」
「そう。それは良かった」
「これ、母が」
吉備団子の包みを所長に手渡した途端、新聞奨学生が跳び付いてきた。
「ゾロ! それ、何だ? うまそーな匂いがする!」
「吉備団子だ。いっぱいあるから、いっぱい食え」
この山猿みたいな奨学生は大食漢で、いつも腹を空かしている。包みを手渡してやると、所長の娘が笑った。
「まるっきり、桃太郎みたい。鬼退治にでも行くの?」
思わず見た奨学生は、口の周りをきな粉だらけにして吉備団子を貪り食っていた。その様子がおかしくて、俺は笑った。
20121223,1225,1228
何故ゾロの故郷を岡山にしたかと申しますと
・『電車に飛び乗って』帰郷出来る、ある程度遠い場所(飛行機だと『飛び乗った感』が出ないよね?)
・一目でどこのものか分かる郷土菓子(手作り出来ると尚可)
探しました。結果『岡山・吉備団子』に。難しかった!
ちなみに、パティスリーバラティエ本店が東京なのは、私が東京近郊以外を知らないので、自然と。
作中、ゾロが「寒くなりましたね」と言ったので、そこから逆算して最初の集金は7月末、そこから計算して最終話は一年後の7月末となりました。計画性無しの行き当たりばったりな為に、季節感のない事甚だしい事になりました。
こんな事なら、最初に思いついた『仙台・ずんだ餅』で良かったかも(手作りするなら夏だろ、と思い、最終話が夏だと気付く前に諦めた)と思いましたが、こんな小話も作れたので結果オーライです。
サンジに苗字がないのは現代パラレルをやる上で、ネックですよね(でもおかげで『302号室』を語呂合わせにさせる事が出来たので、まあそれも結果オーライ)。
そこら辺は「そういう世界の話だし」とスルーしたくせに、妙な所でリアリティを追い求めて難儀しました。(果たしてリアルになってるのかどうかは知りません)
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