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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*お題をお借りして、ついったに投げてたのまとめその6。4月分。
 ブログ再掲にあたり、適宜改行、空白を入れました。

 https://shindanmaker.com/587150
 貴方はzsで『   』をお題にして140文字SSを書いてください。

『   』書いた日

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 *****
      


『シガーキス』20180401

 夜風に吹かれながらの一服は、心落ち着かせる大切な一時だ。
 一本咥えて火をつけると、奴がゆるりとやって来た。不意に手元の一本を奪われる。奴は徐にそれを咥え、俺のそれと先端を合わせた。
 シガーキス。
 奴は一筋紫煙を吐いて、不味そうに顔を顰めた。
 勝手に奪っておいて。心の落ち着きをも。返せよ。



『御不満ですか?』20180402

 鼻先を掠める甘ったるい匂いの茶色い液体。
「なんだ」
 不機嫌を隠さずに問う。
「御不満ですか?」
 澄ました顔で答えやがる。
「俺が苦手なのを知っていて寄越すその根性は不満だな」
「まあ飲んでみろよ」
 豊かな酒の深みが甘みを追い越していく。そういう心憎い心遣いがまた、不満なんだ。懐柔されちまう。



『真実って必要ですか』20180403


 教会があったので、片膝ついて手を組んでみた。
「神様、真実って必要ですか、本当の事なんて知らない方が良くねェか?」
 まともに信じてない奴に返す答えなど無いとみえて、神は何の答えも寄越さない。
 自分にすら嘘をつけない奴ならば、何と答えるだろう。真実が、奴にとってありがたくないものならば。



『嘘だけ、うまくなっていく』20180404

 初めに吐いた一つの嘘が為、また一つ、また一つ、と嘘が増えていく。露見する事の出来る、奴に対する感情の全てが嘘で形成されて、本当の事は何一つ、表に出せない。
 もう慣れてしまった。嘘だけ、うまくなっていく。今更、俺が奴にどんな感情を向けているのかなんて、誰にも知らせられない。俺にすら。



『貴方だけを見つめる』20180405(出題日)/0406

「許されるなら、貴方だけを見つめるのに」
 時々芝居掛かった真似をする彼に、溜息を吐いて言ってやる。
「許さないでしょうね、貴方だけを見つめる、彼が」
 芝居をすっかり忘れて「知ってたの?」と声を潜める。知らなくたって、分かるわ。本気じゃないって分かっている癖にこの剣呑な牽制を向けるのよ?



『「とりあえず殴っておく?」』20180406

「とりあえず殴っておく?」
「物騒ね」
 でも、それが良いかも。
 言って、航海士と二人くすくす笑う。物騒で剣呑な惚気に当てられたのだから、それくらいは許して欲しい。
 我が船が誇る双璧は、強く重い愛で互いに殴り合う。
「素直じゃないんだから」
「素直に睦まれても、迷惑だわ」
「確かに」
 また、笑う。



『味見と毒見と、』20180407(出題日)/0408

 衝動に任せて抱いた後「味見と毒味と、どっちのつもりだ」と掠れた声で問われた。自嘲の色がした。
「どういう意味だ」
「右腕の役得か、責務か」
「どっちでもねえよ」
 味見にしろ毒味にしろ、その後他の誰かに渡すって事だろ。誰にも渡すつもりはねえ。
 そう伝えれば、自信に満ちた笑顔を見せるだろうか。



『恋人だった』20180408

 彼女は時々鋭く図星を突いてくるから、実はちょっと苦手。彼女に悪気はないし、彼女はちっとも悪くない。突かれて困る図星を抱えている俺が悪い。
 恋人の定義に照らして、奴と俺が以前から恋人であると指摘するなんて、邪気がないだけ悪質だよ。肯定なんて出来る訳がないし、否定もちょっとしたくない。

 (3月16日付同軸)



『飼い犬に手を噛まれる』20180409

 飼い犬に手を噛まれる、みたいなもんかも知れねェ。飼ってるつもりはねェけど、餌付けしてるみたいに思う事はあるし。乗っかってきて腰を振る様は、まァ、犬みたいっちゃァ犬かな。獰猛な大型犬。ただしちょっとアホなとこがあるから、うっかり他の奴に懐かねェようにしねェと。しっかり手綱を締めて。



『躾はしっかりとお願いします。』20180410

 奴は俺の股間を睥睨して言った。
「躾はしっかりとお願いします。お前の、息子」
 たまたま、ちょっとそういう気分の時にお前が勝手に風呂に入って来ただけで、別にお前の裸を見たからとかそんなんでは決して。などと言い訳を口にする前に、体が動いてしまった。もう止まらない。躾けるべきは理性の方だ。



『褒めてやろうか?』20180411

「お目が高い、と褒めてやろうか? それとも、趣味悪ィな、と貶してやろうか」
 よりにもよって、俺なんぞを選ぶなんて。と思った自分をごまかしたくて、わざと悪辣に言うと、奴は「悪趣味だって自覚はあるし、見る目があるって自信もある」と胸を張り「お前こそ」と優しく耳に吹きかけた。
 褒めて良いぜ。



『どこにもいかないで』20180412

 あのままどこにもいかないで自分の役割を全うした気になって、一生を終えたかも知れない。連れ出したのは間違いなく船長だが、きっかけとなったのはお前だよ。お前が袈裟懸けに切られたあの時、俺が俺を縛っていた鎖みたいなもんも切れたんだ。心底馬鹿だと思ったよ。俺も馬鹿でありたいと思ったんだ。



『甘やかしてよ』20180414

「甘やかしてよ」「そんなのあいつに言え」「嫌よ、あんたの視線が落ち着かないもん」「なんだそりゃ」「気付いてないの?あんた、すっごい凶悪なオーラ出してくんのよ?」「俺がお前を甘やかしたら、あいつがすっげえ凶悪なオーラ出すだろ」「でもそれは私に対してじゃないから良いのよ」「俺が困る」



『瞳は雄弁だ、』20180415

「瞳は雄弁だ、だのにお前ときたら、元からそう喋る方でもねェってのに、半分にしちまって」
 酔っているのか上機嫌でぺらぺらと喋る男は敢えて半分を隠している。
「両の目が見えたら煩過ぎるから隠してんのか」
 長い前髪を持ち上げて両目を晒してやれば、きょとん、と雄弁な筈の瞳が無垢な光で俺を射た。



『言ったもの勝ち』20180416

 突然奴が耳元で「好きだ」と言ったから心底驚いた。
「言ったもの勝ちだ」
 奴は勝ち誇った顔で宣言した。
「お前さァ、惚れた方の負け、って聞いた事ねェ?」
 直接言葉を受けた耳から熱がどんどん広がっている。
「アホか、惚れて負けるの意味が分からねェ」
 確かに、それを言うなら俺は負けっぱなしなのだ。



『上手く、しつけてやらなくちゃ』20180417

 どうやら意地が邪魔をして好意を伝え合えない仲間の為に、彼女は一肌脱ぐつもりらしい。
「上手く、しつけてやらなくちゃ」
 彼女が勇んでしつけを決行した結果、仲間二人はめでたく、人も羨むカップルとなった。
「バカップルって言うんじゃない?」
「しつけを間違えたわ」
 当てられて食傷気味の私たちだ。



『御不満ですか?』20180418

「お前は愛の言葉なんて知らねェよなァ」
 馬鹿にして見せるのは、不満と悟られたくないのだろう。癪に障る。
 耳元に『愛の言葉』をたっぷり注いでやる。耳の先から首元まで、朱に染まっていく。
 仕上げに「御不満ですか?」と囁けば、クソ、と悪態を吐き「そっくりそのまま返してやる」と。
 大満足らしい。



『遺言ですよ?』20180419

「どうか自分に正直に。彼の事もちゃんと考えてあげて」
 納得しかねる顔なので「遺言ですよ?」と念を押す。
「縁起でもねェな。それに、」と少し戸惑って、彼は続けた。
「お前より先に俺が死んじまうかも知れねェし」
 確かに寿命に年齢の関係無い世界ではあるが。
「遺言です」
 あなたは長生きすべき人だ。



『人恋しい冬に、ひとりぼっちだ』20180420

「お前もそろそろ恋人作んねェと、人恋しい冬に、ひとりぼっちだぜ?」
 肌寒さを互いの体温でごまかしている最中にそんな事を言う。
「お前はどうなんだよ」
「俺は本気出したら選り取り見取りだし?」
 お前が本気を出さない訳を、俺は知っている。
「お前が居るだろ」
 お前は俺が居る以上、本気を出さない。

 (現パロ)



『欲しいのは、そっちじゃない』20180421

「どっちが欲しい?」
 右手に葡萄酒、左手に麦酒を下げて訊く。
 質問に答えずじっと俺を見ているから、試しに左手を出した。
「欲しいのは、そっちじゃない」
「じゃあこっち」
 左手を引っ込め、右手を出す。
「そっちでもない」
 奴は俺をじっと見たままだ。
「両方は駄目だ」
 何が欲しいのか分かってしまった。



『御馳走様でした。』20180422(出題日)/0423

 へべれけの振りで乗っかると、奴は律儀にもしっかりと戴いてくれる。据え膳は食う派らしい。
 満足と疲労で瞼を下ろし、息が深くなった頃合いを見計らったか、小さな声が聞こえる。
 御馳走様でした。
 荒々しく熱かった手が優しく俺の髪を梳いている。
 御粗末様でした。
 狸寝入りなのが露見しない程度に呟く。



『その言葉が、重い』20180423

 奴が身代わりを申し出た理由は、少なくともその一つは、俺の野望を知っていたからだ。人を庇う事が己を守る事より大事なのだ、人の中には俺も含まれる。
「死に花咲かせてやらァ」
 その言葉が、重い。己の為に死なれる事がどれだけ重いか、知っているだろう?
 死ぬのはお前の役割じゃない。生きて生かせ。



『でも、明日怒られそう。』20180424

 少し調子が悪くて早めに床に就いた彼の為に、作ってやりたいものがあるから手を貸せ、と頼まれて、私たちは彼の城に内緒で侵入している。
「でも、明日怒られそう。」
「怒る?コックが?お前を?」
「馬鹿ね、あんたに決まってるでしょ」
 そりゃそうか、と納得した顔で、それでも薄らと笑顔だ。惚気んな!



『消えた足跡』20180425

 奴が足跡を消して行ったんだとしたら、それは「探すな」という意思表示だろう。探して欲しけりゃ、足跡を残していく。それくらいの知恵は回る奴だ。
「探さないの?」
 草の根分けても探し出して、首根っこ掴んでやる。わざわざ消して行くなんて阿呆な奴だ。俺らから逃げ切れると思ってんのが奴の甘さだ。



『褒めてやろうか?』20180426

 少し待て、とお預けを食らわされたのだった。仕事中だったので、致し方ない。常よりゆったりとしている様に感じられる動作で、仕事を締め括った気配に顔を上げた。お供にと宛てがわれた酒は疾うに空だったが、大人しく待っていた。
「褒めてやろうか?」
 少し嫌味な笑顔だ。そんな事より、早く寄越せよ。



『愛される覚悟をしておいて』20180427

「愛される覚悟をしておいて」
 酷薄に笑って言うから、嫌がらせか挑発の類だと思った。
「愛する覚悟は出来てるか」
 問えば、目を瞠る。
「愛がなけりゃ、料理は美味くなんねェよ」
 ごにょごにょと言い訳の様に言う。
「お前の飯を美味くねェと感じた事はない、って事は」
 俺は出来てる。お前こそ覚悟しとけ。



『始めから壊れているの』20180428

「始めから壊れているのなら、返品か交換か、するだろ。特殊な商品だったもんだから、捨てるしかなかったんだろうな」
 故郷の話をしていた筈がそんな事を言い出した。意味は分からないが、碌でもない事だろう。「お前もそうしろよ?」と言い出すに至っては。
 飽きる前に食い尽くさねえか心配だってのに。



『御馳走様でした。』20180429

 御馳走様でした。
 ぱんと手を打つ音が鼓膜を揺らして、不覚ながら涙が出た。俺はこれが聞きたかったんだな、と自覚して恥ずかしくなった。
 瞑目を解いた奴が俺の顔を見て瞠目している。そうだよな、驚くよな。俺も驚いてる。
「美味かったろ?」
 笑って問いかける。
「ああ、食いたかった」
 そう、お前もか。



『別れてください』20180430

「別れてください」
 三つ指ついて願い出る。
「付き合ってもないのにか」
 付き合ってなかったの?じゃああの濃厚な夜の数々は一体?
「一遍正式に交際を申し出て了承してからでないと別れようがない」
「じゃあ…付き合って?」
「了承した。ちなみに俺は翻意しない」
 嵌められた!
 俺の思惑通りになったけど。



*やはり習慣というものは強くて、えっちらおっちら丸四ヶ月も続いています。いつまで続けんだろ。最近、ちょっとわかりづらいな? というものになりがちな気がしているので、気をつけたい。でも難しいんだ。
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